祇園祭 後祭 宵々山

2017年の祇園祭
前祭の曳き初めから始まって、山鉾巡行・神幸祭が終わり、
そして後祭とくると先が見えてきて少しさびしくなってくる頃。
1年に7月が2回あったらいいのに。

この日もよく晴れました
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_21574801.jpg

●大船鉾
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18590714.jpg
曳き初めでは付いてなかった「艫(とも)」、しっかり存在アピール。
粋な青海波。

会所には、よく似た2つの龍頭
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18590843.jpg
右 : 昨年作られた龍頭
左 : モデルとなった瀧尾神社の龍の頭(九山新太郎作)

●南観音山
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18590808.jpg
このあたりの町名「百足屋町」の頭文字がついた、
リニューアルされた町会所。2階建てなのに3階建てに見える凝った造り。
¥300 払って、中へ。

見送は加山又造の原画による「龍王渡海図」
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18590864.jpg

鉾にも上がれました。
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18590839.jpg
近くで見ると、下水引がクッキリ鮮やかでほんとに美しい。

駒形提灯の先には北観音山。賑わってますね~
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18590902.jpg

●北観音山
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18590998.jpg
天水引に始まり、欄縁の錺、下水引、二番水引、三番水引、と
胴懸までのグラデーションがすごいことになってます。
その中でも見どころは下水引「「金地王侯行列風俗図」。
唐人風景の緻密な刺繍が見事。豪華な懸装品がそろうのは
町内に三井家や松坂屋などの豪商が住んでいたため。

●八幡山
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18591048.jpg
町会所に所狭しと並べられた懸装品を見るのが楽しい。
巡行の時には赤い鳥居と金色の社殿がとても目立ちます。
鳥居の笠木の上に飾られる鳩(画像右下)は雄雌の対で、
夫婦和合の意味をもつ。

会所前では、消防隊によるAED講習が山鉾関係者を対象に行われていました。
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18591087.jpg

暑い中のハードなお祭り現場では、予期せぬ緊急事態も考えらる。
こういうキメ細かい取り組みは、とても安心感を与えてくれた。
いい機会だったので、私も後ろから拝見させていただく。
AEDの使用方法だけでなく、救急車を呼ぶときの手順であったり
こういう場面での心構えもレクチャー。
10分ほどだったけど、説明の一言一言が実践に役立つ理論に基づいていて
とてもわかりやすかった。さすがプロ。

実はこの1時間後に他の場所で、救急車を呼ぶ場面に居合わせた。
とっさの対応が必要な中、ほんの少しでも知識があるだけで
こんなにも自分の行動の自信になることを認識した。
各消防署では3時間のAED講習(無料)があるそうで、近いうちに
受講してみようと思う。

●役行者山
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18591033.jpg
室町通の北端にある山。山鉾町の入口にかかる、この紫色の幔幕が迫力満点。

●鷹山(休み鉾)
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18591137.jpg
今年も御神体が公開され、夕方にはお囃子披露も。

正式に2022年の復興を目指すと、公言されるようになりました。
犬を連れ、樽を背負って隠れて粽を食べ、鷹を腕に乗せ、3人の従者は
どこかユーモラス。どんな風にこの世界観が表現されるのか、
4年後がとても楽しみ。

鷹山復活のタイミングに合わせて検討されてるのか
昔の山鉾巡行ルートであった三条通や松原通の話題を、ちょくちょく
耳にするようになりました。「戻る」というより、どんどん「進化」
してるんかもなぁと思ったりする。

●黒主山
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18591100.jpg
会所の御神体人形が、桜の花を仰ぎ眺めている姿で飾られていて、とても印象的。

近くのお店の軒下には、黒主山の粽でこんな飾りも。
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18591182.jpg

●鯉山
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18591150.jpg
前祭期間でも訪れたが、「登竜門」の勢いにあやかりたく再訪。
木彫りの大きな鯉が神様ってのがまた興味深い。
個人的にいろいろ気になるポイント満載で、初めて祇園祭で買った粽はここのもの。

●橋弁慶山
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18591244.jpg
町家の2階に飾られる、こんな眺めがけっこう好きだったりする。

●浄妙山
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18591280.jpg
このあたりは現役で商売されてる古い町屋がちゃんと残っていて、
趣ある町並みを形成している界隈。ワクワクします。

●鈴鹿山
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18591264.jpg
紅葉に、桜に、美しい懸装品が山鉾一の美女といわれる御神体を彩る。

今年も御神影をいただく。
祇園祭 後祭 宵々山_a0376293_18591241.jpg

もともと山鉾巡行は前祭と後祭の開催だったのを、昭和41年から合同巡行に
(平成26年 後祭復活済)。鈴鹿山はその年、巡行に参加しない
「居祭(いまつり)」で抗議した歴史があり、硬派な一面をもつ。
この日、たまたま鈴鹿山の係の方が京都新聞の取材を受けていて、
さりげなく聞き耳をたてて聞いてたら、10年20年どころじゃない
相当長いスパンで、この祭の今後の在り方に具体的な強い信念と
責任感を持ってらっしゃってて、真摯な姿勢をあらためて感じた。

山鉾10基すべて観終わっても、まだまだ陽は高く
夕景も捨てがたかったけど、あっさり帰路につくことに。
でも、せっかくなので(帰れへんのかい!)
ちょっとブラブラしながら京阪三条へ向かう。



by ystsushin | 2017-07-27 23:06 | 京都の歳時記 | Comments(0)

   四季折々のお出かけ記録です


by ystsushin